三相トランスや三相機器を扱ううえで避けて通れないのが「結線方式」です。同じ三相でも、巻線の接続の仕方によってY結線(スター結線)Δ結線(デルタ結線)という2つの基本形があります。本記事では、それぞれの特徴と、トランスでの使い分けを解説します。

三相結線とは

三相交流を扱う機器では、3つの巻線(またはコイル)をどう接続するかで、電圧・電流の関係や中性点の有無が変わります。代表的な結線方式が、3つの巻線の一端を1点にまとめるY結線と、3つの巻線を環状につなぐΔ結線です。

Y結線(スター結線)の特徴

Y結線は、3つの巻線の一端を中性点として1点に接続する方式です。中性点を取り出せるため、相電圧(対中性点)線間電圧(相間)の2種類の電圧が使え、その比は1:√3(約1.732倍)になります。中性線を利用した単相負荷への給電や、地絡検出がしやすい点がメリットです。

Δ結線(デルタ結線)の特徴

Δ結線は、3つの巻線を環状に接続し、各頂点から線を引き出す方式です。中性点は存在しませんが、大きな特徴として第3高調波電流(および3の倍数次の高調波)を巻線内部で循環させ、外部の系統側に流出させないという性質があります。これは磁束の歪みに起因する高調波成分を、Δ結線のループ内で吸収する働きによるものです。

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Y-Δ/Δ-Y/Y-Y/Δ-Δの使い分け

三相トランスは、一次側・二次側それぞれをY結線かΔ結線にできるため、組み合わせによって特性が変わります。

結線

特徴・用途

Y-Y

両側に中性点を取れるが、第3高調波が系統に伝わりやすく単独では敬遠されがち

Δ-Δ

片方が故障しても残り2相(V結線)で運転継続できる。中性点は取れない

Y-Δ

一次側で中性点接地、二次側Δで高調波を巻線内に閉じ込める。降圧用で多用

Δ-Y

二次側で中性点を取り出せ、単相負荷への配電がしやすい。昇圧用で多用

北川電機では、用途(系統連系の要否、単相負荷の有無、高調波規制)に応じて最適な結線方式をご提案しています。

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まとめ

  • 三相結線の基本形はY結線(スター)とΔ結線(デルタ)。
  • Y結線は中性点が取れ、線間電圧は相電圧の√3倍。
  • Δ結線は中性点はないが、第3高調波を巻線内に閉じ込める特性がある。
  • 三相トランスは一次二次の結線組み合わせで特性が変わり、用途に応じた選定が重要。