医療機器のカタログや計測機器の仕様書で「アイソレーショントランス」という言葉を見かけたことはありませんか。実は「絶縁トランス」と同じものを指すことが多いのですが、呼び方が違うだけで戸惑う方も少なくありません。本記事では、医療用絶縁トランスも手掛ける北川電機(KEC)が、アイソレーショントランスの分野別の使われ方と、選定時に確認すべきポイントを解説します。

アイソレーショントランスとは|「絶縁トランス」との関係

アイソレーショントランス(Isolation Transformer)は、一次側と二次側を電気的に絶縁したトランスのことで、日本語の絶縁トランスとほぼ同じ意味で使われます。「絶縁トランス」が規格書や学術的な文脈で使われることが多いのに対し、「アイソレーショントランス」はカタログや現場、特に医療機器・音響機器・計測機器の分野で通称としてよく使われる呼び方です。絶縁トランスの基本的な仕組みや安全性の理由については、姉妹記事の「絶縁トランスとは」で詳しく解説しています。

医療機器での位置づけ|IEC 60601-1と漏れ電流

医療機器分野で「アイソレーショントランス」が最も厳しく求められるのが、患者に直接触れる機器です。国際規格IEC 60601-1では、患者装着部の種類(B形・BF形・CF形)ごとに、許容される漏れ電流の上限値が定められています。心臓に直接触れるCF形は特に厳しい基準が課され、アイソレーショントランスによって電源から確実に絶縁し、漏れ電流を規格値以下に抑える設計が求められます。

医療機器以外の代表的な用途

アイソレーショントランスは医療機器以外の分野でも幅広く使われています。

  • 音響・AV機器:機器間の接地電位差による「ハムノイズ」を防ぐため。ミキサーやアンプの電源にアイソレーショントランスを挟むことでノイズの少ないクリーンな電源を確保する。
  • 計測・分析機器:グラウンドループを避け、微小信号を正確に測定するため。
  • 産業用制御盤・電源設備:作業者の感電防止、ノイズに弱い制御機器の保護のため。

アイソレーショントランス選定時に確認すべきポイント

確認項目

内容

容量(VA)

接続する機器の消費電力に対して余裕を持たせる

漏れ電流の規格値

医療用途ならIEC 60601-1の装着部分類(B/BF/CF)に応じた上限

静電シールドの有無

ノイズ対策を重視する用途では一次二次間のシールドが有効

絶縁耐圧・沿面距離

使用電圧・設置環境に応じた絶縁距離の確保

規格認証

医療機器ならIEC 60601-1、産業用途ならUL/CEなど用途に応じた認証

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北川電機のアイソレーショントランス

北川電機は、医療用絶縁トランス(IEC/UL適合)をはじめ、音響・計測・産業向けまで、用途に応じたアイソレーショントランスを設計・製造しています。漏れ電流の管理、静電シールドの作り込み、真空注型による封止まで一貫して対応し、分野ごとに求められる安全基準をクリアする設計をご提案します。

まとめ

  • アイソレーショントランスは絶縁トランスとほぼ同義。医療機器・音響機器・計測機器などの現場でよく使われる呼び方。
  • 医療機器ではIEC 60601-1の装着部分類(B/BF/CF)に応じた漏れ電流管理が求められる。
  • 選定では容量・漏れ電流規格・シールドの有無・絶縁耐圧・規格認証を確認する。