カタログの耐熱クラスや定格が「本当に守られているか」を確かめる評価が温度上昇試験です。トランスやリアクトルの寿命と信頼性は、この試験で裏付けられます。本記事では、自社で評価設備を持つ北川電機(KEC)が、温度上昇試験の目的と測定方法を解説します。

温度上昇試験とは

温度上昇試験とは、トランスやリアクトルを定格の電圧・電流・周波数で運転し、巻線やコアなど各部の温度が、周囲温度からどれだけ上昇するか(温度上昇値)を測定する試験です。絶対温度そのものではなく「周囲温度+温度上昇」で実際の到達温度を評価するのがポイントで、通常は温度が上がりきって一定になる(飽和する)まで運転して測ります。

なぜ温度上昇試験が必要か

温度上昇試験の目的は、大きく2つです。

  • 絶縁の耐熱クラス内に収まっているかの確認 … 到達温度が耐熱クラスの許容値と、内部で最も熱いホットスポットの余裕を含めて収まっているかを検証する。
  • 寿命・定格の裏付け … 絶縁は熱で劣化するため(約10℃で寿命半減)、温度上昇を実測することが、定格運転での寿命保証につながる。

設計計算だけでは、巻線内部の熱のこもりや冷却の効き方まで正確には読み切れません。実測によって初めて、定格に対する温度の余裕を確認できます。

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測定方法

温度上昇の測り方には、代表的に次の方法があります。

  • 抵抗法 … 巻線(銅・アルミ)の電気抵抗が温度で変わる性質を利用し、運転前後の抵抗値の変化から巻線の平均温度を求める。巻線全体の温度を代表させるのに適する。
  • 熱電対法(測温体法) … 熱電対やセンサを要所に取り付け、コア表面や巻線表面などの局所温度(ホットスポット)を直接測る。
  • 試験条件 … 定格負荷で温度が飽和するまで運転し、周囲温度・冷却条件(自然空冷/強制空冷)も記録する。

これらを組み合わせ、平均温度とホットスポットの両面から耐熱クラスへの適合を判断します。

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北川電機の自社評価

北川電機は、温度上昇をはじめ部分放電・絶縁耐圧・回生を伴う条件など、各種の評価を自社設備で実施できる体制を持っています。設計と評価を社内で回せるため、設計値どおりの温度上昇か、どれだけ余裕があるかを実測で確認しながら、信頼性の高いカスタムトランス・リアクトルに仕上げられることが強みです。

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まとめ

  • 温度上昇試験は、定格運転で各部が周囲温度からどれだけ上昇するかを測る評価試験。
  • 目的は耐熱クラスへの適合確認と、寿命・定格の裏付け。ホットスポットの見極めが重要。
  • 測定は巻線の平均温度を測る抵抗法と、局所を測る熱電対法が代表。飽和まで運転して評価する。
  • 実測による温度余裕の確認が、信頼性の高いカスタム設計の裏付けになる。