高周波&大容量&薄型トランス
お客様の「困った」
<要求仕様概要>
定格容量:33.75kVA
周波数:10kHz
その他:設置面積はある程度大きくていいが、ラックマウントで使用する為、製品高さは抑えたい
KECのソリューション
大型フェライトコアと、リッツ線を用いた「高周波×大容量」のトランスです。
最大級に大きいフェライトコアを3段重ねで使用すると共に、電流に合わせて総断面積の大きいリッツ線を整列巻することで、電気的仕様と形状要求を満足する製品となりました。
<概略寸法 [mm]>
330×200×120
設計者コメント
設計のポイントは、高周波×大容量に合わせたリッツ線と、薄型に必要な長いコアとコイルでした。
■ Point①:リッツ線
カスタム仕様のリッツ線を整列巻することで、「高周波×大容量×薄型」に必要なコイルを製作しています(写真①)。
■ Point②:フェライトコア
製品高さ寸法を抑えるためには、コアとコイルを長く作る必要があります。本製品で使用したフェライトコアは、最大級に大きいだけでなく、同形状(同断面積)のフェライトコアに比べ、特別長いコアを使用しています(写真②)。
このコアにより、コイルを長く製作することが可能となり、製品高さを一定以下に抑えました。
■ Point③:ものづくり
「リッツ線の整列巻」と「大型コア」が要求仕様を満たす設計上のポイントです。
しかしこの製品のように、容量が大きい高周波トランスは、巻線や組み立てと言った「ものづくり」が商用トランスとは大きく異なります。設計通りに正しくものを作るためには、巻線、コア組、リッツ線の配線作業など、ものづくりのノウハウが欠かせません。
写真①リッツ線を巻いたコイル
写真②フェライトコア
奥:本製品で使用しているコア
手前:同断面積標準サイズ
北川電機の高周波トランス
高周波トランスでは、コア材、線材やコイル構造以外にも、製品評価に必要な高周波電源、計測器や測定ノウハウも重要です。北川電機では、各種高周波電源や計測器を揃えておりますので、正しく性能評価された製品を納品致します。